i モード事件から学ぶ立ち上げ物語の書き方
2009-08-17


禺画像]
「ライフネット立ち上げ物語」を書いているのだが、なかなか上手に書けない。

思い出せないこともたくさんあるので、昔の手帳を必死に読み返してみたり。でも、面白い物語にはならない。リアルタイムで進行していたときは、あれだけドラマチックだったのに。

そこで、いろいろとヒントを欲しいと思って人に相談していたところ、松永真理さんが書かれた 「i モード事件」を推薦された。

[URL]

早速取り寄せて読んでみたが、純粋に物語として面白いだけでなく、読み応えのある立ち上げ物語を記すためのヒントがいっぱい詰まっているような気がした。

気づいたのは、自分に足りなかったのは「何を書くか」のwhat に時間を使うのではなく、「どのように書くか」の how である、ということ。

(書き方の工夫)
・ 書き出しはセリフが多い > 現場感ある場面をドラマチックに再現
・ セリフや当時の考えを再現するために、再度取材もしていたみたい
・ なかなかうまくいかない状況を書く > うまくいったときに嬉しい
・ うまくいく様子も上手に > 夏野さんが「詐欺師」のように都銀を口説いていくプレゼンを細かく再現
・ 立ち上げまでの節目となる出来事は特に細かく > 「iモード」の名前が生まれる過程なんかは具体的
・ 特に反対意見があって議論を交わして決まったところは、その議論を再現
・ 逆に、大筋と関係ないところはばっさり落とし、大きい流れだけ書いている
・ スタートしてからの販売状況はほとんど書いてない。立ち上げるまで
・ ところどころに、一人のビジネスパーソンとしての想いが書かれている。
- NTTに部外者としてジョインした違和感
- リクルート時代の話も効果的に織り交ぜる
・ 「ヒロスエ」、「ザガット」など、一般の人に分かりやすい、華やかな話を織り交ぜる
・ 同時に、「ラ王を買いダメしてずっとカップラーメンでしのいだ」「ほとんど寝ずに」などの泥くささを象徴する描写もちらほら

(登場人物の工夫)
・ いろいろと邪魔する「悪者」の存在 > 本書の場合マッキンゼーの頭が堅いコンサルたち
・ 動じずに、とにかく守ってくれる温かいパトロン > 榎さん
・ お金持ちで時折世間知らずのお坊ちゃんキャラ > 笹川さん
・ 優秀でやんちゃな暴れん坊 > 夏野さん
・ 一緒にNTTの官僚組織を外部の目から見守るNECの方

***
というわけで、もちろんこれだけではないのでしょうが、自分の物語を振り返って形にするに当たっても、自分がどのようなポイントを「面白い」と感じるかを箇条書きにしていくことで、ヒントが得られたわけです。

「ライフネット事件」がどんな物語になることやら!

コメント(全2件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット